有機と食への探求
醤油の効用
醤油には、秘められた様々な効用があります。
今回は、その秘められた効用についてご説明いたします。
■消臭効果
例えば、さしみに醤油をつけるのは、味付けの為だけではなく
醤油に“魚の生臭さを消す”働きがあるためです。
これは、醤油の中のアミノ酸の1種であるメチオニンが変化した
メチオノールという物質の働きによるもの。
■加熱効果
蒲焼きや焼き鳥などの食欲をそそる香りは、
しょうゆ中のアミノ酸と、砂糖やみりんなどの糖分が、加熱により
アミノ・カルボニル反応をおこし、芳香物質(メラノイジン)ができるため。
また、この反応は、美しい照りを出す働きもします。
しょうゆの色と香りを生かした照り焼きなどは、まさにこの反応を利用したものです。
■静菌(殺菌)効果
しょうゆには、適度な塩分やアルコール、有機酸などが含まれているため、
大腸菌などの増殖を止めたり、死滅させる効果があります。
しょうゆ漬や佃煮などは、この効果を利用して、日持ちをよくしています。
■対比効果
一方の味が強く、他方の味がごくわずかな場合、主体の味がより
強く感じられるこのような効果を[対比効果]と言います。
例えば、甘い煮豆の仕上げに、少量の醤油を加えると、甘みが一層引き立ちます。
■抑制効果
例えば、漬かりすぎた漬物や塩鮭など、塩辛いものにしょうゆをたらすと、
塩辛さが抑えられることがあるが、
これはしょうゆの中に含まれる有機酸類に、塩味を和らげる力があるためです。
このような混ぜたときに一方あるいは両方の味が弱められることを
[抑制効果]という。
■相乗効果
醤油の中のグルタミン酸と、かつお節の中のイノシン酸が働きあうと、
深いうまみが作り出されます。
このように、混ぜ合わせることで、両方の味がともに引き立つことを
味の[相乗効果]と言います。そばつゆなどが例として挙げられます。
【参考】
しょうゆ情報センター:https://www.soysauce.or.jp/